当帰芍薬散が合う人とは?体質の特徴と見分け方


ご覧いただきありがとうございます!

はりきゅう はまだ三禄堂の井久保(いくぼ)です。

前回は「当帰芍薬散の本当の効果と生理不順や妊活で選ばれる理由」についてご紹介しました!

※詳しい内容は下記をご覧ください📖

当帰芍薬散は婦人科領域で広く用いられており、「婦人科三大処方」の一つでもありますが、

すべての人に同じような効果が現れるわけではありません。

体質に合わない場合や、期待する効果と漢方の役割が一致していない場合には十分な変化を感じられないこともあります。

そこで今回は当帰芍薬散が合う人の特徴と見分け方について古典医学の視点を交えながらご紹介していきます🌟

血液不足でも原因は一つではない!


前回にご紹介したように当帰芍薬散は

「補血(血を補う)」と「利水(水分代謝を整える)」

を得意とする漢方薬なんです!

そのため、病院などでは「血液が不足し、水分代謝が低下」している女性の不調に処方されることが多いです。

ですが古典医学では血液不足といっても原因が一つではないんです!

当帰芍薬散の場合は補血でも「心血」を中心に補うのが特徴のため、本来は

心血が不足し、水分代謝も低下している体質

の方に力を発揮する漢方薬です🍃

心は「血脈」を主る


古典医学における心は単なる心臓ではなく

  • 精神活動
  • 意識
  • 血脈

などを統括する臓腑として捉えられています。

江戸時代の書籍「臓腑経絡詳解(ぞうふけいらくしょうかい)」には

臓腑経絡詳解 心の臓所属の提網

躰に在て血を生す。

心は南方の火、即て離卦の位。

離中の一陰心血を生す。

故に血色は赤し、赤きは火の色。

との一節があり、つまり

心は血を生み出す働きを担っていて、血の色が赤いのは心が火に属する(赤色は火の色)ため

なんです!

心血が不足している傾向のある方は

などの不調が現れることがあります。

なかでも心は精神活動とも関わるため、「不眠や不安感」などが特徴的です。

このように心血が不足し、水分代謝が低下している

  • 生理痛や生理不順
  • 不妊
  • 産後のトラブル

など女性特有の不調に使われるのが本来の当帰芍薬散になるんです!

心血が不足する原因もさまざま


古典医学で心血が不足する原因は一つではなく

の三つに大きく分かれます。

一つは血液を大量または慢性的に失う

失血(しっけつ)

です。

例えば

  • 出産
  • 月経の出血が異常に多い
  • 外傷
  • 手術

など血を失うことで心血も不足する原因になります。

2.過労や発熱による血の消耗


古典医学では心血が不足する原因として

  • 過労(睡眠不足や精神疲労も含む)
  • 慢性的な疲労(寝ても疲れが取れない状態が続くなど)
  • 長引く発熱
  • 月経

などによる

血の消耗のしすぎ

も考えられます。

私たちの身体は日々、血をエネルギーの一部として使いながら過ごしてます。

そして消耗した血を食事や睡眠などで回復させ、健康を維持しているんです!

ところが、過労や睡眠不足が続くと血を使う量が増える一方で、作る力が追いつかなくなります。

例えるなら

貯金箱から毎日お金を取り出しているのに、新しく入れるお金が少ない状態

です。

最初は問題なくてもその生活が続けば、やがて貯金は減ってしまい、追い付かなくなります。

血も同じで、消耗が続くと

心を養うための血が不足し、心血不足

へとつながります。

3.「消化不良」は血がつくられなくなる原因に


血が十分に作られなくなり、心血が不足する原因として一番多いのが

消化不良

によるものです!

古典医学では毎日の食べたものを脾胃(胃腸)で消化・吸収することで血を作り、全身に巡らせています。

そのため、消化不良のが続くと、十分な血を作ることができなくなります。

例えるなら

血は工場で作られる製品、脾胃はその工場

のような存在です!

材料となる食べ物があっても、工場の機械が故障していたり、うまく動いていなかったりすると、製品は思うように作れません。

身体も同じです。

食欲がない、胃もたれしやすい、下痢や軟便が続くなど消化吸収の力が落ちた状態では、血をつくる力も次第に低下してしまいます。

その結果

心を養う血が不足すると、心血不足の状態

となります。

体質に合った漢方薬選びが大切


いかがでしたでしょうか?

今回は当帰芍薬散が合う人の特徴をご紹介しましたが、症状が当てはまっていても必ずしも「心血不足」とは限りません。

ですがまず、知ってていただきたいのは漢方薬には

この症状だからこの漢方薬というものはない

ことです!

心のケア

とくに古典医学で

心は五臓六腑(内臓)すべてと深い関係にあります。

例えば

消化不良で血をつくることができず、心血が養えなくなる

のように心血不足が根本的な原因でないことも多くあります。

体質に合った漢方薬を選ぶためには自分の心身と向き合い

不調が起こる根本的な原因

を追及することがとても大切なんです!

この記事が、ご自身の体質を知るきっかけとなり、漢方薬選びの参考になれば幸いです🕊