芦屋 鍼灸・はりきゅう はまだ三禄堂の濵田です。
最近、お悩みとして、とても増えているものに【自律神経のトラブル】があります。
- 頭痛・肩凝り・不眠症
- めまい・耳鳴り
- 手足の冷え・のぼせ・顔汗
- 女性ホルモンに関わる更年期障害・プレ更年期障害・PMS(月経前症候群)
もっとひどい状態になると…
- 自律神経失調症
- 鬱症状や躁鬱
- パニック障害
これらは、自律神経のバランスが乱れることによって起こってくる症状です。
今回は、
これらの症状が起こってしまう【自律神経のトラブル】の原因について書いていきますね。
まずは自律神経について!
自律神経とは?
書いて字のごとく、自ずと(おのずと)律する(りっする)神経
「自ず」とは…物事の性質や成り行きに従って自然になる様
「律する」とは…一定の規範を設けて統制・管理する
簡単に云うと、
ヒトの意志とは関わりなく、自然と、からだの機能の調整をしてくれる神経ですね。
例えば…
外の気候が寒い時に…
毛穴を閉めて、からだから熱が逃げないようにする
ブルブルと震えて、筋肉を自然と動かして、からだの熱を作り出して、寒さに対応する。
食事をしたときに…
胃腸を動かして、消化・吸収を促して、血液を作り出す。
消化した飲食物の不要な物を排出してデトックスを行う。
ストレスを感じた時に…
心拍数を上げて、血流量を増やして、からだの防御機能を高める。
筋肉を硬直させて、からだを防御する。
- からだが気候の変化など外からの刺激を受けた時
- 飲食をして、からだのエネルギーを作り出す時
- からだの毒素を排出する時
- ストレスに対して、からだを守る時
それぞれの状況に対応できるように“自然とからだを調整してくれる神経”が自律神経です。
その調整をする時に、各器官から放出されるのが“ホルモン”という物質ですね。
自律神経には大きく分けて2種類あります。
自律神経には【交感神経】と【副交感神経】の2種類があります。
【交感神経】
活動する神経・頑張る神経
仕事や運動をする時、心臓の心拍数や血圧を高めて、身体を適度に緊張させて、気合いをいれてくれる神経
車で例えると
アクセルを踏んで、エンジンの回転数を上げて、スピードを出して走っている状態
【副交感神経】
休む神経・からだを修復してくれる神経
休息や睡眠をとる時、心臓の心拍数や血圧を抑えて、身体をリラックスさせて、肩の力を抜いてくれる神経
疲れをとったり、痛みや怪我などを治す修復作業をおこないます。
胃腸を動かしてくれるのも、主に副交感神経の働きになります。
車で例えると
アクセルを放して、クリープ状態でゆっくり走っている状態
完全に止まっているわけではなく、省エネモードですね。
自律神経はバランスが大事
交感神経と副交感神経はシーソーのように働きます。
どちらかがしっかりと働けば、どちらかの働きは抑えられます。
交感神経が働いて、仕事などを頑張るモードになっているときは、副交感神経の働きが抑制されます。
そのため、仕事を頑張るモードになっていると、
- お腹が空いた。
- トイレにいきたい。
などの行動は抑制されますね!?
これは内臓を働かせる神経である副交感神経の働きが抑制されているためです。
逆に、
副交感神経がしっかりと働いている時は、交感神経が抑制されます。
食事をした後は、胃腸が活発に動くため、副交感神経がしっかりと働きます。
そのため、
食後は眠くなる、ダラダラしたい気分になってしまうことが多いですね。
これは内臓がしっかりと働くため、副交感神経が優位になり、交感神経が抑制されているためです。
スペインではシエスタといって、昼食後にお昼寝をする時間を作りますが、ある意味、合理的なのかもしれませんね。
自律神経をバランスよく働かせるためには?
自律神経を調えて、バランスよく働かせるためには【概日(がいじつ)リズム】を規則正しく守ることが、一番大切になります。
概日リズムとは、体内時計とも言われて、ヒトや他の動植物、ほとんどの生き物がもっている生理現象で、1日24時間の中で調整されるリズムです。
植物をみれば一番イメージしやすいと思うのですが、
植物は朝、太陽が昇れば、花や葉を開き、太陽の光をしっかりと取り入れて、光合成をおこないます。
そして、夜になると、花や葉を閉じて、省エネモードになります。
ヒトも生き物なので、太陽の光の影響を受けて活動します。
その太陽の影響をモロに受けるのが、自律神経です。
ヒトは、
太陽光線を浴びることで、交感神経が高ぶり「さあ、1日元気に頑張ろう!」とスイッチが入ります。
そして、
日が沈み暗くなってくると、徐々に副交感神経が優位になり、からだを休めて修復するモードになります。
日が昇って活動して、日が沈むと休む
このリズムを守ることが、自律神経を調える上では一番大切になります。
わかってはいるけど…そんな生活を守れない現代人!!
現代人のほとんどは(僕も含めて)、概日リズムを守って生きていくことが難しくなっています。
- 夜、遅くまでの残業
- 晩御飯の時間が遅い
- 夜勤がある仕事
- 御主人のお仕事が遅いため、家事が夜遅くまである
- お子さんの塾が夜、遅くまである
- 授乳や介護でゆっくりと眠れない
様々な要因が重なって、概日リズムを守りたくても守れない方が、とても増えてしまっています。
そのため、普通に生活していても、どうしても少しずつ自律神経のバランスは悪くなってしまいます。
ほかにもたくさんある自律神経が乱れてしまう要因
ストレス
現代人は、とても多くのストレスの中で生活をしていますね。
特に女性は、
職場や家庭、子育て、介護など、さまざまな環境の中でストレスを受けています。
また、出産、育児、更年期などの時期の問題なども本当に増えています。
ストレスは女性ホルモンにも大きく影響を及ぼして、“こころ”と“からだ”にさまざまな症状を起こしてしまいます。
男性も、
夜、遅くまでの残業、職場での人間関係のストレスなど、肉体的な疲労はもちろん、精神的な疲労もとても増えています。
精神的なストレスがかかると、自律神経は交感神経が優位に働き、ストレスに対して、対抗しようとします。
そのため精神的なストレスが続くと、交感神経が優位になりすぎるので、睡眠の質が低下するため、
- 疲れがとれない…
- 内臓の働きが悪くなるため、消化不良・便秘
などを引き起こします。
寝る直前のパソコン、スマートフォンは要注意
ヒトは視覚から7割以上の情報を得ます。
目を使うことは脳をフル稼働させます。
また、
ヒトは朝日を目に入れることで、脳が活性して、交感神経が働き、元気になります。
太陽の光とパソコンやスマートフォンから発するブルーライトは、とても良く似た波長と言われます。
そのため、
夜にパソコンやスマートフォンを見過ぎると、交感神経をとても高ぶらせて、脳が活性してしまいます。
そうすると、休息するために働く、副交感神経が働きにくくなり、睡眠の質が低下してしまいます。
最近は、夜遅くまでパソコン作業があったり、お風呂の中、寝る前の布団中でスマートフォンを見過ぎる方も多いので注意が必要です。
天気や気候
天気の変化や気候の変化は、ヒトのからだに影響を与えます。
雨で湿度が高い日は、自律神経が、湿度の影響を受けないように、からだの中の湿度を調整します。
また、
風が強い日は、風の影響を受けないように、皮膚の表面を閉めて守ります。
気候に対して、からだを調整するのも”自律神経の働き”になります。
そして、
春夏秋冬、季節に合わせて、ヒトのからだをシフトチェンジをします。
春は、春仕様のからだ
夏は、夏仕様のからだ
秋は、秋仕様のからだ
冬は、冬仕様のからだ
例えば、
夏は、からだが熱くなりすぎないように、汗腺を開き、熱を放散します。
冬は、からだが冷えすぎないように汗腺を閉めて、熱の放散を防ぎます。
そういった季節の変化に対応するために、自律神経が働くのですが、急な季節変化が起こった場合、自律神経が頑張りすぎるため、自律神経のバランスは乱れてしまいます。
交感神経が優位になりやすい現代人
- 生活リズムの乱れ
- 目を使いすぎる生活
- さまざまなストレスがある社会環境
- 夜、遅くのパソコンやスマートフォン
- 異常気象・急激な気候の変化
これらのさまざまな要因で、自律神経が乱れてしまいます。
特に頑張りすぎたり、ストレスで神経を緊張させすぎると、常に交感神経が優位になってしまいます。
その結果…
副交感神経が働きにくくなるため、からだがリラックスできず、休息・悪い部分の修復がうまくできなくなるので、自分のからだの回復力だけでは、回復できなくなってしまいます。
自律神経が乱れると、どんな症状が起きてくる?
自律神経は、頭の先から足の先まで、からだの全てに行きわたっています。
脳、目や鼻や耳、神経、筋肉、汗腺、内臓まで全てです。
そのため、自律神経が乱れてしまうと、からだのあらゆる部分にトラブルがおこってしまう可能性があります。
それらのトラブルは、健康診断などの検査では出ないこともあるので 注意が必要です。
【代表的な症状】
- 頭痛・肩凝り・不眠症
- めまい・耳鳴り
- 手足の冷え・のぼせ・顔汗
- 女性ホルモンに関わる更年期障害・プレ更年期障害・PMS(月経前症候群)
テレビのCMでお馴染みの未病
自律神経のトラブルは、健康診断などの検査では出ないことも多いです。
それらは東洋医学では【未病】とも言います。
書き下すと、
「未ダ病ニアラズ」(いまだ病にあらず)
「未ダ」ということは、この状態が続くと、いずれは病(病気)になってしまう可能性があると言うことを示唆しています。
検査の結果だけでは計れない“からだの不調”にはとても注意が必要です。
一体、どうすれば良いの?
【自宅で出来る自律神経調整方法】
腹式呼吸
自律神経が乱れてしまい、交感神経が優位になると、呼吸がとても浅くなります。
呼吸が浅くなると、肩の力が抜けなくなってしまうので、からだがリラックス出来なくなります。
そうすると、睡眠の質が低下してしまい、
- たっぷり寝たのに、からだがスッキリしない…
- 寝つきが悪い…
- 途中で目が覚めてしまう…
などの症状が起きてしまいます。
そんなときは、
おへその下を意識して、大きく呼吸を30回ほどします。
そうすると、少しずつ呼吸がしやすくなり、力が抜けてきて、自律神経が調いやすくなります。
入浴
昔から「湯治」という言葉があるように、お風呂に入ることは、自律神経を調えて、副交感神経の働きを優位にして、からだを回復させる機能を高めてくれます。
最近は、シャワーで済ませるかたも増えてきていますね。
また、お風呂に入りながら、スマートフォンを使う方もいます。
お風呂では、出来るだけ目を閉じて、ゆっくりと15分は浸かるようにしましょう。
※からだが弱っているかたが、長く入りすぎると、余計に疲れてしまうこともあるので、注意は必要です。
日光浴
ヒトは太陽の光を浴びることによって、からだが活性します。
からだをリラックスさせて、しっかりとした睡眠をとるためには、日中に太陽の光を浴びて、一度からだを活性させてあげることも、とても重要になります。
日中に太陽の光を浴びることで、からだの【概日リズム】が調います。
そうすると、夜にからだのスイッチがオフに入りやすくなります。
ウォーキング
ヒトのからだの新陳代謝を高めるためには、有酸素運動がとても大切になります。
目標は連続で20分ほど、ウォーキングして、背中からうっすらと汗をかくように、動かすことが大切です。
また、手足を動かすことで、胃腸が働きやすくなります。
東洋医学では、
胃腸と手足の関係を石臼で例えられます。
現代では、あまり一般的には使われない石臼ですが、2つの石をすり合せて、もみ殻がついた状態の小麦や蕎麦などの穀物を粉砕するときに使われます。
また、
お灸に用いるモグサを製造する際、乾燥させたヨモギを粉砕するためにも使われたりもします。
臼の部分に小麦や蕎麦を入れて、取手の部分を回すことで、小麦や蕎麦を粉砕します。
先程も書いたように東洋医学では、胃腸と手足の関係を石臼で例えられます。
胃が臼の部分を表して、回す取手の部分が手足になります。
臼の中の小麦や蕎麦を挽くために取手をまわすように!
胃の中の食べ物を消化するためには、手足を動かすことがとても重要になります。
そのため内臓の働きを高めて、消化・吸収をするためには、手をよく振ってウォーキングすることが大事になります。
鍼灸治療での治療方針!!
まずは【未病】の段階で、からだを整えてあげることが大切
鍼灸治療は東洋医学ですね。
東洋医学では、【未病】の段階で、からだを調えてあげることがとても大切だと言われます。
西洋医学の検査で異常がでるということは、からだの状態としては、かなり悪い状態になります。
そのため、西洋医学の検査で異常がでない段階での治療が一番理想的だとも言えます。
東洋医学では、からだのツボの反応に対して治療を行います。
はりきゅう はまだ三禄堂では、
からだのツボの反応の中でも、特に“お腹の診察”を一番大切に診ていきます。
お腹を診ることで、五臓六腑(内臓)の“お疲れ状態”や“働きの異常”を診ることが出来ます。
日本古来の伝統鍼灸の診察方法として、腹診があります。
この腹診方法を使い、五臓六腑(内臓)の“お疲れ状態”や“働きの異常”を治療することで、内臓の働きを助ける副交感神経の働きを高めることが出来ます。
副交感神経の働きを高めるのことで、自律神経のバランスを調えます。
内臓をしっかりと働かせて “からだ”の毒を出しておく
最近、“デトックス”(からだの毒だし)という言葉は一般的になっていますね。
自律神経のバランスが悪くなる原因として、デトックス(からだの毒だし)が不足して、からだの中に毒素が溜まってしまうことがあります。
東洋医学の治療方法にも、デトックス(からだの毒だし)を行うための方法はあります。
古典鍼灸・漢方医学におけるデトックス(からだの毒だし)方法【汗・吐・下】
- 汗法…汗をかくことによって、皮膚から体内毒素を排出
- 吐法…嘔吐する、噯気(げっぷ)、お喋りして胸の詰りをスッキリさせる
- 下法…おしっこ・うんちとして体内毒素を排出
これらのデトックスを正しく行うためには、内臓の働きを調えることが重要になります。
五臓六腑(内臓)の“お疲れ状態”や“働きの異常”を治療して、内臓の働きを助ける副交感神経を高めます。
内臓がしっかりと働き、しっかりとデトックス(からだの毒だし)することで、からだのなかをキレイに出来ます。
からだの中をキレイにすることで初めて、自律神経が正常に働くことが出来ます!
からだを元気にすることで、ストレスに強い“からだ作り”を!
たくさんある自律神経が乱れてしまう要因としてストレスを紹介しました。
特に女性は、
職場や家庭、子育て、介護など、さまざまな環境の中でストレスを受けています。
また、出産、育児、更年期などの時期の問題なども本当に増えています。
ストレスは女性ホルモンにも大きく影響を及ぼして、“こころ”と“からだ”にさまざまな症状を起こしてしまいます。
男性も、
夜、遅くまでの残業、職場での人間関係のストレスなど、肉体的な疲労はもちろん、精神的な疲労もとても増えています。
最近、男性のうつ病もとても増えてしまっていますね。
そのストレスを避けられるのか?
と考えると…
受けたくて受けている人はいないですね…
では、避けられないストレスに対して、どうすれば良いのか?というと…
まずは!
からだを元気にすることが大切になります。
からだが元気になると“ストレスにも強いからだ”を作ることができます。
例えば、
自分自身が睡眠不足で、朝から体調がスッキリしないときに、電車の中で足を踏まれると、怒ったり、イライラとしやすくなりますね。
しかし、
自分自身の体調が良くて、元気であれば、同じように電車の中で足を踏まれても、怒ったりイライラとしにくくなります。
イライラだけでなく、不安に思ったり、落ち込んだりすることも、自分自身の体調次第で、同じような精神的なダメージを受けても、気持ちを切り替えられるか!?が違ってきますね!?
心身一如
東洋医学の言葉には“心身一如”という言葉があります。
「心と身は一つの如し」
からだの状態は、こころの状態にとても大きな影響を及ぼします。
逆に、こころが疲れていると、からだはスッキリしませんね…
からだをしっかりと元気に調えることで、自律神経の働きを乱してしまうストレスに対しても強くなることが出来ます。
まとめ
現代人は、
- 生活リズムの乱れ
- 目を使いすぎる生活
- さまざまなストレスがある社会環境
- 夜、遅くのパソコンやスマートフォン
- 異常気象が増えている
これら避けられない事によって、普通に生きているだけで、交感神経が優位になってしまい、自律神経のバランスが乱れやすいとも言えます。
その自律神経の働きのバランスを調えるためには、上で述べたように“五臓六腑(内臓)の働きを高めること”がとても重要になります。
内臓の働きを高めることで、毒素をデトックス(からだの毒だし)をして、からだを内側からキレイにします。
からだがキレイになることで、自律神経のバランスも調えることができます。
そして、
- 頭痛・肩凝り・不眠症
- めまい・耳鳴り
- 手足の冷え・のぼせ・顔汗
- 女性ホルモンに関わる更年期障害・プレ更年期障害・PMS
- 自律神経失調症、鬱症状や躁鬱、パニック障害
などの、原因が特定しづらい不定愁訴(症状が定まらないツライ症状)の改善に繋がります。
これらの症状でお悩みの方は、
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芦屋市のはりきゅう院 はまだ三禄堂でした(^^)/